【徹底解説】日産・エルグランドの魅力と今後の展望|高級ミニバンの代名詞、その実力とは?
はじめに
「日産・エルグランド」と聞いて、まず思い浮かぶのは“ラグジュアリーなミニバン”という印象ではないでしょうか。初代が登場したのは1997年。以来、エルグランドは高級ミニバン市場におけるパイオニアとして、トヨタのアルファード・ヴェルファイアと並び称されてきました。
しかし近年、エルグランドの存在感はやや陰りを見せているとも言われています。果たしてその理由はどこにあるのか? そして、それでもなおエルグランドが選ばれる理由とは?
この記事では、日産・エルグランドの歴史、特徴、他社ミニバンとの違い、そして今後の展望について、深堀りしていきます。
歴代エルグランドの進化
初代(E50型:1997年〜2002年)
初代エルグランドは、当時の「キャラバンエルグランド」「ホーミーエルグランド」として登場。ミニバンに“高級感”を持ち込んだ先駆け的存在でした。角張ったボディに重厚なフロントグリル。エアサスペンションやリアエンターテインメントなど、当時のトレンドを超えた装備が話題を呼びました。
2代目(E51型:2002年〜2010年)
デザインと技術の両面で大きく進化。特に「マジカルドア」(電動スライドドア)や、FFベースのプラットフォームによる広い室内空間が注目されました。また、この時代のエルグランドは日産の先進技術「VQエンジン」を搭載し、パワーと静粛性を両立。
3代目(E52型:2010年〜現在)
現行型のE52は、より流線型のスタイリッシュなデザインが特徴。V6 3.5Lのエンジンやインテリジェントクルーズコントロールなど、快適性と安全性にフォーカスしたモデルとなっています。ただし、2010年からフルモデルチェンジが行われておらず、ライバルの進化に比べてやや“時代遅れ”との指摘もあります。
エルグランドの強みとは?
1. 圧倒的な走行性能
エルグランドは「高級サルーンのような走り」を追求しています。特にVQ35DEエンジンは、そのトルク感とスムーズな加速が評価されており、高速走行時の安定感はミニバンとは思えないレベルです。
また、サスペンションのセッティングも硬めで、しっかりと路面を捉えるため、ロールも少なく、コーナリング性能も高い。
2. インテリアの質感と快適性
シートの作りやパネルの素材感は、国産ミニバンの中でもトップクラス。セカンドシートの“キャプテンシート”は、オットマン付きで、長距離ドライブでも疲れを感じさせません。
また、BOSEサウンドシステムなど、オーディオ面でもこだわりが見られ、乗る人すべてが“おもてなし”を受けているかのような空間演出がなされています。
3. ライバルとの差別化
トヨタ・アルファードに比べ、エルグランドはスポーティで男性的な印象があります。アルファードが「王者の風格」を目指すのに対し、エルグランドは「運転する歓び」を忘れないという方向性。これはミニバン市場では稀有な立ち位置です。
なぜ“失速”したのか?
フルモデルチェンジの遅れ
最大の理由は、やはりモデルチェンジの遅さにあります。E52型は2010年に登場して以降、ビッグマイナーチェンジはあったものの、基本設計は変わっていません。
一方、トヨタはアルファード/ヴェルファイアを定期的にフルモデルチェンジし、内外装・安全装備・燃費性能などで常に先を行っています。この差が販売台数にも如実に表れており、近年ではエルグランドの存在感はやや薄れがちです。
燃費と価格
アルファードに比べ、ハイブリッドモデルが存在しないこともエルグランドの弱点。ガソリン車しか選べないとなると、燃費重視のユーザーには敬遠されがちです。また、車両価格も決して安くはないため、「高い割に古さを感じる」との声も。
今後の展望とエルグランド復権の可能性
日産は2024年以降に新型エルグランドを投入するとの噂もあります。もし実現すれば、以下のような要素が期待されます。
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e-POWERやEV化など、電動化への対応
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ProPILOT(プロパイロット)2.0の搭載
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最新のコネクテッド技術の導入
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高剛性プラットフォームによる走行性能の向上
これにより、エルグランドは再び“国産最強ミニバン”の座を目指せる可能性があります。特に日産が得意とする電動化技術と運転支援技術が融合すれば、アルファードとの差別化は十分に可能です。
まとめ
日産・エルグランドは、かつて高級ミニバン市場のリーダーとして君臨した存在です。現在ではやや影が薄くなったものの、その走行性能やインテリアの質感は依然として高水準です。
次期モデルで“復活”を遂げられるかどうかは、日産の戦略次第。ユーザーとしては、「走りも快適性も両立したい」なら、今でも選ぶ価値は十分にあるクルマです。
あなたが次に選ぶ一台が、日産・エルグランドかもしれません。
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